2013-07-31 人生・思想

アンラーニング

昨日の記事で、紹介した中村天風さんについてのエピソードが、詳しく書かれている本を読んでいます。

中村天風◎成功は、この「積極精神」についてくる:怒らない恐れない悲しまない池田光著です。

天風さんは、若いころ結核にかかったそうで、それを治そうと欧米の有名な人を訪ねまくったそうですが、2年間の旅で、得た結論は、誰も治療方法を知らないということで、意気消沈して日本で余生を過ごそうと帰りの船に乗り込みました。

そこで出会ったインドのヨガの聖者カリアッパ師との出会いが、大きく人生を変えたようです。

カリアッパ師とのやりとりはとても興味が湧くものばかりなのですが、修行の地に来てからかなりの日数が経ってもいっこうに天風さんに病気の治し方を教えようとしなかったので、しびれを切らせてカリアッパ師に問いかけたそうです。

カリアッパ師は、いつでも教える準備は出来ているが、お前の方の準備が整っていないと言いました。

天風さんは、自分も出来ていると言うと、カリアッパ師は、何も言わずに丼に水をいっぱい汲んで来いと指示し、その後に別の丼にお湯を一杯用意させたのです。

そしてお湯を水の入った丼に入れてみろと命令しました。天風さんは、ばかばかしいと感じながらこぼれますと答えたそうです。次の瞬間にカリアッパ師は、厳しく天風さんと諭したそうです。

「丼の水がおまえだ。おまえの頭の中には、今までの屁理屈がいっぱい入ったままではないか。いくら私の教えを湯のように注いでも、お前には受け取ることは出来ない」

その時にハッと天風さんは気づいたようで、それを察知して、その晩から教えを乞うことになりました。最初の丼に入った水を全部流して、新しいお湯をいれることを「アンラーニング(学習棄却)」というそうです。

それまで学習し、積み上げてきたものを簡単に捨て去ることが、出来るかと思ってしまいますが、それを先にやらずに新しい考え方を入れても結局、生ぬるいお湯が溢れていくだけなのかも知れません。

天風さんは、当時では治せないとされいた病気だったので、そこまでの決断が出来たのでしょう。

相談する人の覚悟がどれだけのものなのかを見極める能力もカウンセラーには、必要かも知れませんね。

2012〜2013年のYahoo!ブログ掲載記事。『集客の書』収録版から復元。
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